漫才マイクで有名な【SONY C-38B】が気になる!
実際のチェック音源と専門家のレビューが見たいな!
こういった人向けの記事です。5分ほどで読める文章量。
この記事を読むとSONY C-38Bの特徴がわかります。
記事の後半で実際にマイクチェックしている音源も出てきます。
- PAカンパニーに所属
- 音響歴10年
- ライブハウス経験
- RECスタジオ経験
- 大規模ツアー経験
- ホール音響経験
- 舞台調整技能士二級
- 第二種電気工事士
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サンパチマイクの使い方・SONY C-38Bレビュー【漫才マイク】
こんにちはPAのイチローです。今日の機材は【SONY C-38B】ですね。
ある種、音響を生業にしている人は、避けて通ることのできないサンパチマイク。
音質うんぬん抜きにして漫才・落語は絶対サンパチ!ってオーダーをよく頂くからです。
それ以外にも、三線をはじめとする和物系の楽器にもまだまだ現役で使われたりしていますね。
実際に集音された音を聞いてみると、高域に特徴があり「カリッ」とした印象が残るのは、モダン設計のマイクに慣れてしまっているせいかもしれません。
イチローの【SONY C-38B】印象はこんな感じだよ
- 落語・漫才において絶対的な需要がある
- 実は素晴らしいフラット特性を持ったマイクで楽器にも使える
- そんなに大きいマイクではないのに信じられないくらい多機能
- 電池駆動の方がノイズが少ないけど蓋がめっちゃ固い
「信じられないくらい多機能」って?
C38は指向性が切り替えられるし・・
ハイパスフィルターの種類が4種類もあるし・・
ローパスフィルターも別で付いてるし・・
ファンタム電源でも電池でも駆動するし・・
バッテリーチェックもできて-8のパッドも付いてる
詰め込みすぎじゃね?
今日はレビューっていうか
C38の使い方を説明して終わってしまうかもしれん
SONY C-38Bって型番のコンデンサーマイクなんだけど、実は開発にはNHKも関わっている、日本の音響技術を詰め込んだ名機だったりする。
そんな歴史が関係しているのか、PAをやっていて思うのは「和風な音がするマイク」ってこと。
高域に特徴があるけれど、嫌味がなくまろやか。和物・邦楽に使われ続けている理由は、このへんにありそうだ。
経験上の話をさせてもらえれば、ギターアンプのアンビエント用にC38を立ててみたことがあるんだけど、それが結構ハマってて良かったんだよな。
ディストーションの音をすごく上品かつまろやかにしてくれた印象。
今日はそんな、奥深いコンデンサーマイク【SONY C-38B】について書いてみようと思う。
SONY C-38Bの指向性&スペック・各種スイッチについて
ソニーとNHK放送技術研究所の共同開発の真空管型マイクロホンCU1-1(BTS呼称)を源流にもち、C-38Bの原型のSONY CU-2A(BTS呼称)が1965年の11月末にNHKに納入されて、『第16回NHK紅白歌合戦』で初めて実用マイクとして使われた。
Wikipediaより
スペック的に【SONY C-38B】はこんな感じのマイク
- 単一指向性は広めで180度ほど(指向性の切り替え方法は後述)
- ハイパスフィルターはM・M1・V1・V2の4段階(切り替え方法は後述)
- マイク左右の【耳】をつまんで下げると蓋が開いて電池交換ができる
- マイク内部にに-8dBのパッドスイッチと、ローパスフィルターが付いている
機能が多すぎて使い方が不安・・・
指向性の切り替え方法ってどうやるの?
背面のケーブルがでている所の上側に、指向性切り替えの穴があって
細いドライバーで無指向性からカーディオイドまで連続可変できるよ
ふむふむ・・・
ハイパスフィルターはどうやって切り替えるの?
ケーブルの出ている部分が、ダイヤル状のスイッチになっていて
ここでハイパスフィルターの切り替えをするんだよ
これが4段階あるのね?
OFFから右に回していくと・赤のM・黒のM・V1・V2って感じで
ハイパスがきつくなっていくんだ
ちなみにOFFから赤のMにした瞬間にマイクの下部の
赤いランプが一瞬光ってして電池残量のチェックができる
これが4段階あるのね?
フィルターのかかり具合は?
仕様書によると・・・
「M・M1・V1・V2それぞれの50Hzの減衰量はBTSの0.1.3.5に相当します」
となっているけど、なんのこっちゃわからないので、これは周波数特性表をみてもらった方が早いね
とまぁ、ざっとSONY C-38Bのスペックとか仕様について書いてみたけど、機能の説明で終わってしまいそうだ。
これでさらに本体の蓋を開けると、-8dBのパッドスイッチと、ローパスフィルターがある。
ほんっと、SONYの人とNHKの人。よくもまぁ、こんなに色々詰め込んだな。すっごい。
C-38Bを使う時に、わりと電池駆動で使う人が多いんだけど、その人たち(主にレコーディング系)いわく「ファンタム電源で使った時と、電池駆動の時のS/Nが全然違う」らしい。
たしかにPA現場でC-38Bをファンタム電源で使用すると「シー・・・」みたいなノイズが乗る。これが抑えられるそうな。
音質については次の項目で紹介してみるけど、マイクのフラット特性をオフマイク時も再現してくれる感じ。
つまりオンマイクで集音すると、高域に特徴があるように聞こえたりするっていうC-38Bの特性は、オフで集音した時の高域の音痩せ防止のための設計なんだろうな。
SONY C-38Bを実際に使ってみた・音質について
ってことで、今日も会社の倉庫から持ってきましたSONY C-38B。
現場以外でこのマイクを突き詰めてみたことがないので、自分のワンツーでどんなチューニングになるか楽しみです。
作業環境は写真の通り。スピーカーはNEXO-P12を使用。アンプはNXAMP-MK2。HAとフィルターは写真の通り。ミキサーはRIVAGE。
おなじみの環境。コンデンサーマイクなのでファンタムが入ってHAがちょっとしぼってあります。
チェックしてみたSONY C-38Bの音源がこちら
漫才マイク!ってイメージだったけど
なんだかキレイな音がするマイクだね!
フラットな特性で、その場の空気感を
上手に集音してくれるマイクだよね
指向性を変えると
周波数の特性も変わるのね?
スペック上は周波数特性の帯域もけっこう狭いよね
実際どこまでフラットなのか?高域まで拾えているのか?
って疑問に感じてるPAさんも多いよ
実際のところどうなの?
周波数特性表、以上に集音出来るマイクだね
エアー感とか質感が魔法みたいに拾える不思議な魅力がある
まとめると【SONY C-38B】の音質はこんな感じ
- 漫才・落語だけの使用ではもったいないほど空気感を録れるマイク
- 周波数特性表以上に音源の質感を捉えることができる印象
- オンマイクだと高域に特徴があるように聴こえる
- オフマイクでは高域の減衰が最小限に抑えられている
- 独特の音質だが嫌味を持ったものではなく倍音が多い音質
サンパチマイクの使い方・SONY C-38Bレビュー【まとめ】
こんな感じで今日は和製コンデンサーマイクの名機【SONY C-38B】をレビューしてみました。
PAエンジニアとして長年、関わってきたマイクではあったのですが、改めてちゃんと考察してみて様々な発見がありました。
フラットさが有名なマイクですが、やはり中域から高域に独特な音質がありつつ、上から下まで幅広いレンジで録れるマイクだと思います。
ボイス・邦楽楽器のみならず、ヴィオラ・バイオリン、ギターならディストーションやドブロギターなんかに使っても面白くなりそうです。
漫才の印象が強いマイクですが、音楽ものに使用しても深い味の出る名機だと感じました。
歯切れの良さやパンチよりも、温かみのある音質や、耳馴染みのある音色を求めている場合に活躍してくれそうなマイクでした。
ってことで今日はここで終わろうと思います。最後まで読んでもらってありがとうございました。
次回は【YAMAHA PS-8】をレビューしてみるよ
YAMAHAの8インチモニタースピーカーだね
また見てね!
この記事の感想は個人による独断と偏見によるものです
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