DIの【Radial j48】の魅力ってなに?
ダイレクトボックスで音って変わるの?
こういった人向けの記事です。5分ほどで読める文章量。
この記事を読むとRadial j48の特徴がわかります。
記事の後半で実際に楽器でチェックしている動画も出てきます。
- PAカンパニーに所属
- 音響歴10年
- ライブハウス経験
- RECスタジオ経験
- 大規模ツアー経験
- ホール音響経験
- 舞台調整技能士二級
- 第二種電気工事士
※紹介制度があるサービスは紹介リンクを貼っています。
おすすめDI・Radial j48 レビュー【ダイレクトボックス】
こんにちは。PAのイチローです。今日の機材はベース・アコギのDIとして現場でよく使われている【Radial j48】です。
このDIは最近どの現場でもほんとよく見かけるようになりました。パッシブDIよりも、やはりアクティブDIの方がノイズに強くて音もパワフルだよね〜、って印象です。
なによりもRadial j48って、音の質感がめちゃくちゃ素直。ピックアップで拾ってるのを忘れちゃいそうなくらい原音に忠実。そこが魅力でもあり、魅力の伝わらなさの要因でもあるんだよな。たぶん。
Radial j48はファントム電源(48V)で動作するように設計されているので、PAのいない現場に持っていくと苦労するかも。
アクティブ系のダイレクトボックスって、電気信号的に言うと要はプリアンプなんですよね。
アクティブDI全般に言える問題だけど、楽器の入力が大きすぎた時、単純なディストーション(クリップ)と同じような働きをしてしまいます。
つまりアクティブDIの課題は、アクティブベースやアコースティックギターの広いダイナミクスレンジをいかに正確に再生するか、ってところに終始するんですね。
RADIAL J48はその問題の解消のために、スイッチングパワーサプライを採用。大きな入力に対しても、内部動作電圧をブーストして、原音に忠実なサウンドを再現しています。
その仕様によって、ハーモニックディストーションのみならず、位相の乱れにも強い構造になっています。
ほら、こうやって仕様を説明されると「音が素直」とか「原音に忠実」とかいう月並みなセリフにも、ちょっとだけ重みが出るでしょう?
イチローの【Radial j48】の印象はこんな感じだよ
- 素直な出音に80Hz付近に芯が足されるイメージ
- 原音に忠実で伝送によるドロップがほとんどない
- アコギとベースはこのDI使っとけば間違いない感じ
「間違いない」ってのはどゆこと?
うーん・・・経験上、このDIの質感を嫌いな
ベーシスト・ギタリストに会ったことないのよね
「素直な出音」なのに芯が足されるってのは?
これも伝えるニュアンスが難しいんだけど・・・
Radial j48ってDIってよりプリアンプのイメージなのよね
だから伝送的にも有利だし低音にガッツが出る感覚が強い
アクティブDIってピンからキリまであるけど、この価格帯でプロユースのものって言ったら真っ先にRadial j48が候補に挙がる。
ダイレクトボックスを使うことで、アコギにストロークのガッツを与えたいとか、パッシブベースをアクティブベースっぽい音にしたい、みたいな層も一度Radial j48を試してみる価値があると思う。
なんにせよ良くも悪くも演奏者のニュアンスがそのまま出てしまう機材で、音が立つのでミスタッチなどのごまかしが効きにくいDIなのですね。
これにもう少し低音のファットさなんかを求めると、JDIとか、行く末はアヴァロンなどになっていくのでしょう。
アクティブDIは沼ですよ。探してるギタリスト・ベーシストは気をつけてくださいね。
そんなわけで今日は【Radial j48】のお話。
Radial j48のスペック・特性について
正確でダイナミック、サウンドエンジニアの夢が現実となったDIそれが、RADIAL「J48」です。
イケベ楽器店より
スペック的には【Radial j48】はこんな感じのダイレクトボックス
- DIには必要不可欠なフェイズスイッチ・パッドスイッチ・グランドリフトを搭載
- ハイパスフィルターは80Hzからとなっているが、200Hzあたりからカーブがキツくなる
- ダイレクトボックスには珍しい、モノマージスイッチも搭載されている
DIで必要な機能が揃っているのね
でもモノマージスイッチってなに?
シグナルをミックスするスイッチだね
普段はINPUTに入った信号はそのままTHRUに出力されるんだけど
モノマージスイッチを押すとINPUTとTHRUに挿した信号を混ぜて
その信号をメインXLRから出力するようになるんだ
え!なんでそんなことする必要があるの?
なんだろ?クリエイティブな使い方もありそうだけど、
ミキサーのチャンネルが不足している時とかに
INPUTチャンネルの数が節約できるかなぁ?
正直、PA現場ではあまり使われない機能だね
スペック表などを見てみても、Radial j48は本当によくできたアクティブDIだなぁ、と感心します。
内部画像を見てもらうとわかると思うんだけど、このダイレクトボックスは電池駆動しないタイプのDIなので、使用するにあたっては、ミキサー側からの電源供給が必要になる機材です。
よく言われる48Vのファンタム電源、ってやつですね。ライブなどで使用するときはPAさんに電源の要望を出しておきましょう。
音質に関しては文句のつけようもないんだけど、ファンタム電源の供給動作がわかりづらいんですよね、このDI。
ミキサー側で48Vを送ると、一瞬だけランプがついてその後は消えてしまう。なんで点灯しっぱなしではダメだったのだろうか?謎だ。
これがRadial j48の回路図。PAっぽく言うとブロックダイアグラム。
さっき言ったマージスイッチだけど、PA現場ではなかなか出番がないけど、まれに活躍する瞬間がある。
例えば、ギタリストやベーシストが、ステレオ出力のエフェクターを使っていた場合、LRをまとめてミキサー側に送ってもらった方が何かと都合がいい場合がある。
卓側のチャンネル数がキビシイ時や、ウェッジモニターへの返しの兼ね合いなどなど。
そんなときは、モノマージ・スイッチをONにすると、ミックスした出力がもらえます。
個体の質感は、ザ・ダイレクトボックス、って感じの鉄の塊感があります。意外と重いし頑丈です。像が踏んでも壊れません。おそらく。
Radial j48の音質について
ってことでいつものごとくRadial j48のチェック音源などを録ろうと思っていたのですが、あいにく会社の倉庫からは出払ってしまっていたので、現場での写真とYouTubeのテスト音源などで解説していこうと思います。
写真はRadial j48本体の側面にある各種スイッチですね。
先述した、フェイズスイッチ、パッドスイッチ、グランドリフトスイッチ、ハイパス(ローカットと表記)フィルタースイッチ、そしてモノマージスイッチが確認できます。
参考になりそうなRadial j48の動画があったので、貼っておきます。
Radial j48のテスト音源がこちら
なんか…思ったより、普通って感じ?
この「普通さ」とか「素直さ」を作るのが
音響機材ではとても大切なことで難しいんだよ
なんかでもRadial j48を通した方が
音がちょっと温かい感じがするね?
プリアンプみたいな物だし、伝送的に有利になるからね
S/Nが良くなってそれが音質の太さに繋がっているんだよ
まとめると【Radial j48】はこんな感じの機材
- ダイレクトボックスとしてのあらゆる機能を備えている
- 音質は素直でふくよかレンジも広い、アコギ・ベースは迷ったらコレ
- 伝送にも有利なアクティブDIなので、ノイズによるストレスが無い
- ハイエンドDI・アヴァロンと比べれば安いが、安価なDIよりは高額
おすすめDI・Radial j48 レビュー【まとめ】
というわけで、今日はアクティブDIの【Radial j48】について書いてみました。
そこそこの値段でS/Nが良くて、レンジも広く録れる優秀なダイレクトボックスってイメージです。
空気感の再現がすごくうまくできるDIなので、現場では特にアコースティック系の楽器と相性が良いな、と感じています。
ダイレクトボックスはPA現場では毎日使われているものなので、ライブハウスやスタジオなんかでも、耐久性があって音質も良い【Radial j48】が導入してあると、小屋の質が一段上がるかもしれません。
まぁ、カントリーマンやボスのDI-1と比較すると【Radial j48】は価格も一段階上がっちゃうんですけどね。
プロユースのアクティブDIを使うと、ミスタッチのごまかしもできないので、演奏力向上を目指すアマチュアさんにもおすすめのダイレクトボックスですよ。
今日も最後まで読んでもらって、ありがとうございました。
次回は【SHURE BETA57A】をレビューしてみるよ
SHUREのBETAシリーズの人気マイク!
また見てね!
この記事の感想は個人による独断と偏見によるものです
→音響機材の買取なら【フジヤエービック】がオススメ!