PAさんってどんな仕事なのかな?
業界でPAエンジニアとして働く方法が知りたい!
こういった人向けの記事です。5分ほどで読める文章量。
この記事を読むと業界でPAさんとして働く方法がわかります。
記事内では実際の音響現場の写真なども出てきます。
- PAカンパニーに所属
- 音響歴10年
- ライブハウス経験
- RECスタジオ経験
- 大規模ツアー経験
- ホール音響経験
- 舞台調整技能士二級
- 第二種電気工事士
※紹介制度があるサービスは紹介リンクを貼っています。
PAさんの就活について紹介・学歴は必要なのか【音響を仕事に】
ところで・・・アナタなんでPAやってるの?
急だね!?どうしたの?
だって拘束時間も長いし・・・
さほど給料もいいわけじゃないし・・・
(グサッッ!グサッッ!)
そもそも就活の方法もよくわからないのよねPAって
オーケーおーけー・・・
それじゃ今日はその辺の話を中心に進めていこうか
こんにちは。中堅PAのイチローです。
PAってよほどの売れっ子じゃない限り、休み少ないし給料低いし・・・
【仕事】として見ちゃうと条件的にけっこう厳しい会社が多いんですよね。
まぁこれは業界全体での話であったりもするし「やりがい搾取」なんて言葉もよく聞かれるようになりました。
その辺の話は別のコラムですることにして(需要?)今日は・・・
「それでもPAになりたいんじゃ〜!!!」
っていう学生向けに【ジャンル別・PAになる方法】って感じで書いてみようと思います。
ここに書き記すことはいわゆる就活のセオリーとかからは外れちゃうことも多いと思うけど、実際にイチローの周りにいるPAさんの話でもあるのでリアルな内容ではある。
誰かの参考になれば!いいな〜!
PAエンジニアとは、電気音響設備を用いて公衆伝達(PA:Public Address)を行う技術者である。音響機材の操作のみならず、システム設計、施工、メンテナンスに至るまでの幅広い技術的知識と技能及び演目に関する深い知識が要求される。日本においては録音スタジオが都市部に集中しているのに比較してPAエンジニアを必要とする現場が全国に散らばっており、PAエンジニアは国内全般で活動している。
wikipediaより
音響を仕事にするために・PAさんに必要な学歴
まずPAになるために必要な学歴なんですが・・・
ふむふむ
結論から言うとPAには学歴が一切必要ありません!
えーーーっ!?そうなの??
【必要ない】というとちょっと語弊がありますが、実際PA・音響エンジニアには免許があるわけではないので、基本的には全員、自称・PAエンジニアです。
(電験・電工・舞台調整技能士などの資格を持っているPAさんも多いけど)
とはいえ、後述しますが学歴によってPAエンジニアとしての選択肢が広がるのは事実です。
強いコネクションがある場合を除き、短絡的に進路を選ぶのではなく志や信念を抱えたまま学歴を積みあげて人生の選択の幅を広げた方が、結果的には自分の希望に近い音響の仕事を選択することが可能になります。
そんな考え方を持っているイチローなので、学生に進路の相談をされた際には基本的に・・・
「迷ってるくらいなら偏差値上限ギリギリの学校に入っとけ!」
ってアドバイスすることが多いです。進学していろんな価値観に触れる中で自分のやりたいことが増えたり、変化していく可能性だってある。
- PAエンジニアになるには学歴は必要ない
- しかし学歴によって確実に選択肢の幅は広がる
- 安直な「音響の専門学校に行こう」には賛同できない
- PAを辞めてしまった時にアナタを助けてくれるのは学歴かもしれない
特にコロナ禍に入ってからは、イベント業界全体の働き方が変わってきてます。
そりゃそうだよね、イベント自体の在り方や存続の仕方が変わろうとしてるんだから。
今後の業界全体の動向を完全に把握することはすごく難しいけれど、個人の考え方の幅や選択肢は広くて多い方がいい。
これからPA業界に就職を希望している学生たちには、この業界の10年後・20年後を自分なりに考えてみてほしいな、と思っています。
コロナ時代に突入して
音響エンジニア志望者はかなり減っちゃったね
そうだろうね〜機材のデジタル化も進んでるし
今後業界がどう変わっていくかは誰にもわからないね・・
PAさんになるための就活・専門学校は有り?
ここからはPAになるための具体的な話です
PAカンパニーの面接受けるんでしょ?
一番スタンダードな形はそうだね
その他どの業界にも言えることだけど
人脈作りがすごく大切になるよね
やっぱり最後はコネなのね・・・
- 学歴を伸ばすほど選べるPA会社は増える
- ヨコの繋がり・タテの繋がりでPAになっている人も多い
- 人脈を作るという意味において初めて専門学校という選択肢が出てくる
- そもそも求人情報を出しているPAカンパニーは多くないので人脈はとても大切
大手のPAカンパニーに入れれば、その分自由度は減るけど仕事の幅は広がります。
カンパニーごとに得意としている仕事・特色や社風も違うので、選択肢を増やすという意味では学歴は無駄じゃないです。
その他、求人自体が表に出ることがあまりない業種なのでその分、人脈がとても大切になってきます。かなり狭い業界です。トラブルが起こるとその情報は絶対に中央に漏れます。
評判命の業界なんですね。こんなブログ書いてて大丈夫かな俺。干されちゃうかも・・・
そんなわけで「人脈を作りに専門学校行く」という選択肢は、まぁ、考えられます。ギリ。無しよりの有り。
その専門学校も結局は中央のカンパニーに繋がりを持っていないと意味がないわけで、要は講師次第って感じです。
よって田舎のなんちゃらアーツみたいな専門学校は無し!と言うことができます。無し!!
技術は現場に出れば叩き込まれます。知識は仕事の数です。専門学校で学べることは少ない。
特殊な職業だから専門学校がマストだと思ってる人も多い
肌感では大卒の人の割合が一番多い気がしているよ
学歴があればPAをやめたくなった時
再就職の幅も広そうだもんね・・・!
実際に働くPAさんの具体例を紹介
ってことでここからはイチローの同僚・・・
周囲のPAさんの話をしてみようと思います
実際に働いているPAさんの来歴についてね
これはちょっとおもしろそう!
人生いろいろ・・・
PAもいろいろだよね・・・
ほんとそれ!
学歴が関係ないから様々なパターンがありそう!
フェスやアリーナで仕事する・巨大システム管理PAの場合
大きい現場・・・アリーナやフェスで高出力のPA機材の仕込みを請け負っているエンジニアの人たちは、いったいどこのPAさんなのだろうか・・・??
この人たちの仕事はとても個人で受けられるような規模の案件ではないので中央のPAカンパニーのエンジニアさんということになります。
会社で大きなPA機材を所有しているカンパニーに入らなくてはいけないので、専門学校卒程度の学歴が必要になります。
基本的には新卒の若い子を採用することが多く、給料が比較的高く福利厚生などもしっかりしていますが、就業形態がブラックであることが多く、下積み期間がクソ長いです。
ただ、自身の会社で大きい現場を請け負っていなくとも、現地音響などの立場で大規模な現場に関わることもあるため一見すると見分けがつかないことが多い。
現地音響の場合、コネクションがあればどんな人間でも現場に携われるため、特に学歴や職歴の制限はない。
ではイチローの知り合いが入社した経緯を箇条書きでまとめてみます。
- 【東京の大規模PAカンパニーのA君】専門学校卒。学生時代からアルバイトとして既に現場に出入りしていた。20歳で入社して26歳のころオペレートを任されるようになるが過労で精神を病み30歳の時に退社。
- 【東京の少数精鋭のPA会社B君】4大卒。22歳で入社後、遅刻が理由でクビになるが同じ会社のアルバイトを経て再入社。28歳の頃から全国規模のツアーを任されるように。現在も元気に活動中。
- 【大阪の大規模PA会社のC君】4大卒。22歳で入社し下積みの長さに耐えられず25歳で退社。35歳の現在は地方に移住し現地音響をするなどして生計を立てている。
アリーナクラスの仕事をしたいなら手っ取り早いのは
【大っきいスピーカーを持ってる会社に入社してしまう】ことだね!
なるほど〜こういう会社は大卒の人も多いのね
好きなバンドと一緒に仕事する・バンドのツアーPAの場合
フェスとかライブハウスでバンドにくっついて乗り込んでくるPAさんはどこの人なんだろう・・・?
この乗り込みのPAさんは全員フリーランスで活動しているって思われがちなんだけど、実はさっき紹介したような中央のPA会社のエンジニアさんであることも多いです。
流れとしてはバンドの事務所から「最近このバンド勢いいいんだけど〜そろそろ専属のPAをつけてあげたいんだけど〜これ系のバンドのオペレートうまいエンジニアさんいない??」みたいな問い合わせがPA会社にくるパターンですね。
(代理店を挟んでそこからPA会社に連絡がくることもある)
とはいえ乗り込みのPAさんになるパターンで最も多いのは【売れる前からバンドの友達だった】ってケースなので、乗り込み系のPAになりたいのであれば、バンド友達・ライブハウス友達などの横のつながりをメチャクチャ大切にした方が良いでしょう。
- 【某人気バンド専属PAのDちゃん】専門学校卒。新卒でPA会社に入社するも1年で退社。その後キャバクラなどで働いていたが専門学校時代の親友であるガールズバンドがメジャーデビュー。専属PAとして白羽の矢が立つ。
- 【某人気アイドル専属PAのE君】4大卒。中堅PA会社に勤めて現地音響などで大規模な現場に関わる。ある現場で専属のオペレーターさんが体調不良になり差し替えでE君がオペレートを担うようになり現在に至る。
- 【お笑い芸人の営業専門PAのF君】高卒。お笑い事務所のマネージャーをしていたがブラックすぎるスケジュールによって地方営業のPAを担わされる。現在はフリーランスとしてお笑い芸人専門でオペレートをするように。
アーティストの専属PAになりたいなら・・・
「界隈の友達を増やす」のが手っ取り早いね!
コネクションはタテ方向だけじゃなく
ヨコの方向にも大切な業界なのね・・・
綺麗なホールやかっこいいライブハウスで仕事する・ハウスPAの場合
最後はライブハウスや公共のホールの小屋付きのPAさんについて。
この働き方については単純にその施設に就職した音響さんである、ってことがパターンとしては一番多い。
ライブハウスに入りたいのだったら一番手っ取り早いのが、そのライブハウスに電話してアルバイトでもなんでも潜り込んでしまう方法。
学歴・職歴がない状態だと最初はドリンカーとかモギリの担当になると思うけれど、PAをやりたいって希望を出し続ければ小屋が空いている日に指導してくれる・・・ハズ!
正直このやり方が一番お金をかけずにPAになれるので、オススメの方法だったりする。専門学校の2年間で学べる知識を6ヶ月程度で勉強することができる。
ちなみに公共のホールの小屋付きも基本的には一緒。電話してみて管理している団体がどのような形態であるかを調査してみるといい。
例えば民間の舞台管理会社が入っている場合、その会社に入って音響の担当になればいいし・・・
自治体の職員の管理ホールであった場合は、自治体の職員試験を受ければいいわけだ。
行動してみると、案外学歴うんぬん関係なく希望する音響の仕事にありつけたりもする。行動あるのみ。
- 【都内の巨大ホールの音響担当Gちゃん】専門学校卒。都内のPA会社に入社し、そこのホール管理部門の担当になる。ホールが暇な日は先輩の音響現場に駆り出されることも。
- 【都内の有名ライブハウスのPAのH君】高卒。18歳から都内のライブハウスのバーカウンターでアルバイトを始め、20歳の頃同店でPAエンジニアとしてデビュー。老舗ライブハウスのPAとして10年以上お店を守る。
- 【地方の公共ホールPAのIちゃん】高卒。派遣社員をしながら地元の自治体職員試験を受け3年越しに合格。美術館・市役所の職員を経て公共ホールに着任。音響担当が不在だったためPAに任命される。
ライブハウスはわかりやすいんだけどね〜
公共のホールだとどこの団体が管理してるか
イマイチわかりづらいよね〜
公共のホールのPAでも
あんまり学歴とか関係ないのね!意外!
PAさんの就活について紹介・学歴は必要なのか【まとめ】
って感じで今日は【PAさんのなり方】
ってテーマで書いてきました!
今回のコラムのまとめがこちら!
- PAエンジニアは学歴関係なく就職する方法がある
- しかし希望する仕事に近づくために学歴が有利に働く場合も多くある
- 迷っているならとりあえず進学した方が人生の幅が広がるかも
- アフターコロナの働き方は依然として不透明なままである
- コスパだけを考えるならすぐにアルバイトで現場に出た方がキャリア的には有利
- タテ方向・ヨコ方向のコネクションとがとても大切で誰かからの紹介仕事が多い
ここに書いてきたことはイチローの偏見も多分に入っているし、業界にいるとはいえ界隈の一部の例を紹介したに過ぎないので、これが全体でPA業界の全てだとは思わないでほしい。
それでもかなり閉鎖的な職種ではあるので、就活中の学生なんかの視野が広がるキッカケになればと思って今回のコラムを書いてみました。
最後に身も蓋もないこと言うけれど・・・結局じぶんの希望の仕事をやってる人間ってみんな行動力があるんですよね。
その点において学歴はあんまり関係ない業種だと言えます。やりたい仕事・働きたい場所を見つけたら、とにかく問い合わせして自分の足を使って確認してみるといい。
足りない技術は熱意が生む行動力で埋めるしかない。大丈夫大丈夫。きっとうまくいくよ。
最後まで付き合ってもらって
ありがとうございました〜!
次回のコラムも楽しみにしててね!
この記事の感想は個人による独断と偏見によるものです
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