
バウンダリーマイクの【CROWN PCC-160】が気になる!
実際のチェック音源と専門家のレビューが見たいな!
こういった人向けの記事です。5分ほどで読める文章量。
この記事を読むとPCC-160の特徴がわかります。
記事の後半で実際にマイクチェックしている音源も出てきます。


- PAカンパニーに所属
- 音響歴10年
- ライブハウス経験
- RECスタジオ経験
- 大規模ツアー経験
- ホール音響経験
- 舞台調整技能士二級
- 第二種電気工事士
※紹介制度があるサービスは紹介リンクを貼っています。
バウンダリーマイク・CROWN PCC-160レビュー【使い方】
こんちは。PAのイチローです。今日の機材は【CROWN PCC-160】です。
バウンダリーマイクと言えばコレかベータの91でしょうか。
PCC160の方が定番って感じですね、往年の名機って感じ。
芝居やミュージカルなどで多用されていて、バランスの取りやすさやEQでの処理のし易さから現場で愛され続けています。
調整のコツを掴むと、音源からかなり離れていてもソコソコ拾えるようになるので、オペの幅が広がるマイクですね。



【CROWN PCC-160】の印象はこんな感じだよ!
- 高域に特性があるように思われがちだがEQフラットだと最初に低音が回る。
- ボイスを録りたいのに何も工夫しないと足音ばかり拾うマイク。
- 直接音よりも反響音とか人力リバーブだと思って使うとハマりやすいマイク。



どんな用途に使われるマイクなの?



床置きできて視覚的に邪魔にならないから、
ミュージカル・演劇・オペラなんかによく使われるよ!



あんまりマイクっぽくないマイクだね!
コンデンサーマイクなの?



音質も独特だよ!
コンデンサーなのでファンタム電源が必要です!
いわゆるダイナミックマイクのような近接効果を利用した音質とか全然違うPCC。
ただただ単純にゲインを上げてフェーダーを突くと、あっという間にハウリングを起こします。
でもマイクの特性をうまく使えば、いい〜感じでアンビエントな拡声ができます。
PAが入っていないような、生音の響きに近い拡声ができるので、業界の中でも玄人ウケの良いマイク。
今日はそんなPCC-160について書いてみようと思います。






PCC-160の指向性&スペック・各種スイッチと使い方について




バウンダリーマイクの超定番AMCRON PCC-160は演壇、会議室、ニュースデスク用にも最適で、スチール製の頑丈なボディーで耐久性抜群。プリアンプとRFIフィルターを内蔵し、長い出力ケーブルの引き回しが可能。
サウンドハウスより
項目 | 詳細 |
---|---|
型式 | コンデンサーマイク |
指向性 | 半スーパーカーディオイド |
周波数特性 | 50Hz~18kHz |
開回路感度 | -33dB re 1V/Pa |
最大音圧レベル | 120dB SPL(3% THD) |
等価雑音レベル | 22dB SPL(Aウェイト) |
インピーダンス | 150Ω |
電源 | ファンタム電源 12V~48V/4mA |
端子 | ミニXLR(3P) |
寸法(W×H×D) | 170×21×81mm(除突起部) |
質量 | 326g |
付属品 | 接続ケーブル(ミニXLR(3P)→XLR(3P)、約4.5m) |



スペック的に【CROWN PCC-160】はこんな感じのマイク!
- 周波数特性では50Hz以下で感度が落ちる。
- 最大音圧レベルは120dBなのでそれ以上で歪む。
- ポーラパターンを見ると音源から近い場所に立った場合指向角から外れる。



50Hz以下が録れないと問題あるの??



いや、このマイクに関してはないね



このマイクって120dB以上の入力ってあるの??



いや、用途的に言って皆無だね



全然問題ないじゃん!笑





これがポーラパターンね!



そうそう。
人の身長を考えると30°のラインを意識しないとだね!
設置の際は人の口元を狙う感じで使うと集音しやすい。
とは言え近すぎると足音ばかり拾うので、60°ラインでキツイなら、薄ベニか何かで首上げした方が良いかも。
足音問題はPCCの底にパンチの切れ端を敷いたりすると軽減できます。
このへんの特性をうまいこと利用すると、クラシック楽器でもボイスでも、かなり自然な拡声を届けることが可能になります。
反響板のない場所でのクラシック演奏なんかは、反響板を使ったような自然なアンビエントなんかを再現することもできます。
拡声ってよりも、自然なホールの鳴りを意識するとかなり良い感じに使いこなせるようになるはずです。


PCC-160を実際に使ってみた・音質について


演劇想定でカマチ付近に置いて検聴。
距離的には口元からPCCまでの30°の角度を意識しました。
距離にして3メートルほどでしょうか。









チェックしてみたPCC-160の音源がこちら



けっこうカリカリな音だね!



フィルター入れてないとローが先に回るんだけどね。



なんだかエアー感がすごいね!



このアンビエント感を活かせるかがキモやね。
こんな感じなので、演者の足音もしっかり拾ってしまいます。
基本的に演目の妨げになるノイズなので、その辺はオペの手技でカバーするか、許容できる範囲の足音で歩いてもらいましょう。
この特性を利用して、フラメンコのタップを拾うのにも使えるマイクだったりします、タップダンスとかにもいいですね。
ボイスに関しては直接音を集音するというよりも、舞台の情景を押さえるマイクなイメージです。
素人相手にはその辺の説明が難しいのですが、ちゃんとした演者ならマイクの位置や距離感を説明すればちゃんと分かってもらえます。
説明の上手さもPAの技術であったりするので、頑張りましょう!いや自分もまだまだですが!





【PCC-160】をまとめるとこんな感じ!
- 演者との距離感や角度が命のマイク!
- バウンダリーは足音を拾いやすいのでそこは手技で!
- アンビエントマイクとして使うのが吉、反響音・リバーブ補助など!
バウンダリーマイク・CROWN PCC-160レビュー【まとめ】
ってことで今回は【CROWN PCC-160】について書いてみました。
PCCのコネクターはちょっと特殊な形状のSwitchcraft TB3Mって形をしておりますが、、
まぁミニキャノンのオス3ピンですね。これを付属のケーブルでオスの3ピンにしています。
問題なくマイクケーブルに接続できるのでご安心くださいませ〜
※ちなみにちゃんと2番ホットです



次回は何の機材をレビューしようかな!



また見てね!




この記事の感想は個人による独断と偏見によるものです